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こんにちは。やれたかも委員会という漫画を描いている吉田貴司です。
スタッフ退職に伴い、新たに作画スタッフを募集します。
週3日くらいで来ていただけると助かります。
最初は通いで来ていただいて、慣れたら在宅勤務に変更も可能です。
下記条件をよく読んで、どしどしご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

仕事内容
・作画補助、背景トレース、トーン仕上げ、写植作業など
・原稿の校正作業
(MacOS、クリップスタジオによるフルデジタル作画)
漫画はこちらから読めます。

応募資格
・漫画家を目指している人
・1年以内に漫画(完成原稿)を1本完成させた人
・年齢学歴職歴不問
・未経験者歓迎

勤務地
・東京都立川市

勤務時間
・週3日 9:00〜17:00(うち休憩1時間)
・曜日、勤務日数、応相談できます。
・慣れてきたら在宅勤務も可能です。

報酬
・勤務形態は業務委託契約です。(契約書もご用意しています。)
・試用期間1ヶ月間は日給 8000円。
・正式採用の場合は月給 15万円。
※源泉徴収は差し引いた金額です。
・交通費全額支給
(日払い可)

その他
・食事はつきません。
・ベランダで喫煙可。
・仕事部屋の天井が低いです。

応募方法
応募はメールでお願いします。
デジタルで作成した履歴書と1年以内に完成させた漫画を添付して下記メールアドレスまでお送りください。
漫画はストレージでお送りいただくか、Web上に公開しているのであればURLをお送り頂いても構いません。
折り返しご連絡いたします。

メールアドレス
yoshida.takashi@hotmail.co.jp

たくさんのご応募お待ちしております。



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ビックコミックスピリッツで連載されていた漫画「闇金ウシジマくん」が完結した。
連載期間15年。連載開始は2004年のことらしい。
ウシジマくんの漫画とは不思議な縁がある。
連載が始まった当時、僕は大阪でバイトをしながら漫画を描いていた。僕の友人も漫画家を目指していて、バイト終わりに互いの家に行って、ああでもないこうでもないと議論しあったり、漫画を見せ合ったりしていた。僕は24歳で友人は23歳。お互いに若かった。
当時僕はスピリッツがすごく好きで毎週買って読んでいた。ウシジマくんが始まった時ももちろんチェックして、「なんて暗い漫画だ」と思った。
OLがお金に困って闇金に手を出し、どんどんと生活が行き詰まって行って、ドラックにまで手を出して、最終的には宗教の教祖になるというオチだったと思う。
正直「これ何が面白いんだろう」と思っていた。
僕は自分の両親が貧乏で街金に手を出したりしていたので、余計にそう思ったのかも知れない。
「笑えねーよ」と思った。
ほどなくして友人は漫画賞を受賞して上京することになった。
僕は絵が下手だったので、将来はどうしよう。と暗い日々を送っていた。

友人が上京した後も頻繁にメールや電話で連絡を取っていて、ある日、友人から「アシスタント先が決まった」という連絡が来た。
その頃僕は漫画界に何にも接点がない生活を送っていたので、「すごいね!おめでとう。」と言った。
「何の先生のところでアシスタントするの?」と僕は聞いた。
「吉田君が嫌いって言った漫画だよ」と彼は答えた。
ウシジマくんだった。

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友人がアシスタントをしているということでウシジマくんを見る目が変わった。
「すごくいい漫画な気がする」と僕は思った。若い頃の漫画の見方なんてそんなもんだ。
それまで僕が読んできた漫画の主人公は何か苦難を抱えた状態から始まり、努力をしたり才能を磨いたりして、最終的には成功するというストーリーだったし、自分が漫画家になるためにもそういう漫画を描こうとしていた。
でもウシジマくんは違った。登場人物は基本堕落しているか追い詰められている。欲望に素直で、向上心がなく、常に裏をかこうとしている。そして最終的には病院送りにされたり、普通に死んだりする。
全然ハッピーじゃない。
しかし繰り返し読むうちに「そういうことなんだ」「そういう面白さなんだ」と思えてきて、毎週読むようになった。
友人の上京から3年経った頃、僕の漫画も賞に入ることができ、一か八か上京することにした。26歳になっていた。
友人の四畳半の風呂なしアパートにパソコンと服を詰め込んだダンボールを送りつけて、転がり込んだ。なかなか無茶で迷惑なことをするものである。
編集部に通ってネームを持ち込むとほどなくして、スピリッツの増刊号でデビューが決まった。
編集者が「アシスタントをする気はあるのか?」と聞いてきたので、「僕でも雇ってもらえるところがあるならやりたいです」と答えた。
その編集者は僕の履歴書と漫画と僕が描いたひどい背景の絵を色々な漫画家の先生の事務所に回してくれた。
アシスタント先はなかなか決まらなかった。そりゃそうだよなと思いながら、新しく借りた西東京のアパートから日雇いのバイトに通っていた。
ビルの建設現場で一日中ガラを運び出す日々。

ある日バイトから帰り、発泡酒を開けて、その友人と電話しているとこんなことを言われた。
「そういえば吉田くんの履歴書を真鍋さんが見ていたよ」と。
ウシジマくんの事務所もアシスタントを募集していたらしい。
「え?何か言ってた?」
「『これって君の友達なの』って聞かれたから『はい』って返事したら、『だったらやめとこうかな』って言ってた」
そりゃそうだよなと思った。
その後、同じ時期にアシスタントを募集していた佐藤秀峰さんが僕を雇ってくれた。
10年前のあの時、僕がウシジマくんのアシスタントになっていたら今どうなっていただろうか…ということをたまに考える。

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その後、僕はすっかりウシジマくんのファンになった。
例えばドロップキックのシーンで、当たった瞬間を真鍋先生は描かない。
ドラゴンボールだとかめはめ波が当たったシーンは必ず描かれる。
いつしかそこを描かない演出方法に惚れ惚れして読んでいた。
一体何がそんなにかっこいいんだろう。
何を描いて、何を描かないか。というのは「何を言って、何を言わないか」ということなのかもしれない。
それはそのまま美学であり、矜持であり、そこには作家の世界に対する姿勢のようなものとつながっているような気がする。
いや、そんなに難しい話ではなく。
僕はそこに「大人」を感じていたのだと思う。
20代と30代の15年間で僕は上京して、肉体労働して、デビューして、結婚して、子供が生まれて、家を買って、2回打ち切られててバイトしたりした。
自分の体験した「東京の暮らし」とウシジマくんの漫画はすごくシンクロしていた。

変なおじさんにならないために、ドロップキックが当たる瞬間を描かないということが大事な気がする。


18冬のピッツェリア編

めちゃコミの連載が終わった。
全30回。週刊だから半年はやっていたことになる。
週に1Pでもネタに困るのは嫌だったので、10回やったら1ヶ月休ませてもらっていた。
ところがそれでもネタに困ってしまうという情けない始末で、編集者さんにはネタ出しも手伝っていただいてとても助かった。
編集者から女の子に言われたいシチュエーションとして「ご飯を食べてる時にじっと見つめられて「食べてる顔かわいいね」と言われる」などの悶絶エピソードを多数いただいたのはとても素敵な思い出である。
しかし久々に締め切りのある仕事をしてものすごく疲れた。ネタがないときは1週間ウンウン悩まなければならない。
週に1つ何かを仕上げるというのは本当にすごいことであると改めて思った。

さらにびっくりすることに僕はこの編集者には一度も顔を合わすことなく連載が始まり、そして終わった。
これも時代なのかもしれない。
僕にとってはそれがとてもありがたかった。対面で会わなくても、自分の主張を言語化してしっかり伝えて、感謝と「悪いことをしたときは謝る」ということをちゃんとしていたら、信頼関係はしっかり築けるものである。



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めちゃコミで発表したマンガは自分で電子書籍化できるように交渉したので、今年中に発売しようと計画している「短編集スイートメモリー2」に収録する予定です。
こういう交渉ごとも対面よりメールの方がやりやすいし、後々トラブルにならなくてよい。


出版不況のあおりを受けて、漫画家に提示する条件が悪くなっているというツイートをよく見るので、僕の交渉の仕方を少し書いてみることとする。
どんな条件を提示されようと、自分が納得する条件でなければ受けなければいいだけの話だと思う。

①執筆依頼のメールが来る。
②原稿料、納期、原稿料の支払日、どういう漫画を希望しているか、カラーかモノクロか、写植はこちらで打つのか、単行本化の予定はあるかなどを聞く。
掲載先の媒体がよくわからない場合は大体どのくらいのPV数があるサイトかなどを聞いておく。
③条件をすべて聞いて、自分にできそうかどうか考えて、やるかやらないか決める。
僕の場合は電子書籍を自分でやりたいので、その旨を伝えて、難色を示された場合は電子の権利をもらう代わりに原稿料を下げてもらったりという交渉をする。
④メールでまとめた条件で契約書を交わしてほしいと告げる。
契約書が交わせない場合はメールを保存しておく。
⑤契約書のドラフトが来たら本当に条件通りの内容になっているか行政書士さんに見てもらう。(もちろんお金がかかる)
条件通りになっていなければドラフトを書き直してもらう。
⑥契約書を製本してもらい送ってもらって締結。連載を始める。

これくらいのステップを踏んでいるので、執筆依頼が来てから本当に仕事を始めるまでに話がなくなってしまうのがほとんどである。
めちゃコミさんは辛抱強く交渉の相談に乗っていただいたので感謝の限りである。

一度あるキュレーションサイトから4コマ漫画を描いてほしいという依頼をいただいて、「どんな漫画がいいでしょうか、原稿料はいくらですか?」と伺ったらnoteとかpixvに漫画を公開している人のリンクが4つか5つ送られてきて、「こういうのを描いてください」と言われた。
「原稿料はなるべく希望に添いたいので希望額を言ってほしい」とあった。
多分同じようなメールをいろんなところに送ってるっぽかったし、原稿料もなんで聞いてるのに聞き返すんだ?と思ったので、「原稿料は1本10万円(税別)もらえるとすごく嬉しいです。」と答えた。決して嘘ではない。実際にもらえるとすごく嬉しい。
その後、返信は来なかった。
おれが悪いのだろうか…

条件交渉の時に参考になりましたら幸いです。

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